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昔の悲しい話2 [昔話]

連日、暗い話で恐縮ですが、昨日に続いて昔の話をさせて下さい。
今日の事例は、今も僕の中で、少しの痛みとなって残っている話です。

昨日、とある金融機関で融資係をしていたことは話しましたが、また、それにまつわる
話題です。
金融機関に勤めていると、毎朝新聞を読みます。ここまでは、当たり前のことですが
最初に見るのが、変わっていて、慶弔欄の死去されたところの欄なんです。

理由はいろいろあるんですが、因果なことでした。
それで、ある日、いつものように死亡欄を見ていると、見覚えのある名前が載っていました。
早速調べてみると、やはり、住宅ローンの顧客でした。

このお客さん、何故覚えているかというと、延滞していたからなんです。
僕は、何度か督促を繰り返し、相当きついことも言いました。
若かったんですね。今なら、もっと、ものの言いようもあったものを。

このお客さんの死因は、建前上はデパートの屋上からの転落死でしたが、実際は
ご想像の通りでしょう。
これには、さすがに、僕もびっくりして、その日一日仕事が手に着かなかった記憶があります。

ご存じかも知れませんが、住宅ローンの場合、その残高に生命保険をかけているので、
後日、その方の残債は、保険金で相殺され、遺族の方には無傷の物件が残りました。
しかし、若かった僕には相当のショックで、その後、延滞者に督促をするのが怖くなった
ものです。

その後、遺族が、手続きにみえられ、残債の相殺のお礼を私どもに丁寧に述べられたとき
僕は、その人達の顔をまともに見ることができなかった。
遠い、昔の話です。


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コメント 16

マルケン

絶句!

人とは死すべき運命ではありますが、なんとも心の痛むお話です。
by マルケン (2006-01-18 07:55) 

荒井太一

今、ライフプラン作成、保険の見直しのHPを作ってて、
住宅ローンは、団体生命保険に入ってれば、
死後負債にはならないので、考慮しなくていいですよ、
というのは、強調しているのですが、
そういう形で精算されることを考えると、安易にはアドバイスできませんね…
by 荒井太一 (2006-01-18 08:54) 

まめぞう

おぉ、なんという事でしょう。その方、たぶん鬱ぎみだったのでは?。
死を選んでしまった・・・・・何も死ぬ事は無いのに、というのは決まり文句ですが、頑張れって言ったって、そうそう頑張れるものじゃぁ、ありませんね。
選択肢はいくつでもあるのに、明けない夜は無いのに・・・・・そういう事すら、考えられなくなるのでしょうね。
by まめぞう (2006-01-18 09:36) 

内部正明

「計画的なご利用」が必要なのは、サラ金だけではないようですね。後で督促に困らぬようにも。
by 内部正明 (2006-01-18 09:54) 

たいへー

自分がかかわった事で、死が絡んでくるのは辛いことですね。
私は仕事上、何人もの死ぬ間際の人を施術してきましたが、
自ら選んでしまった人の事は、忘れられないですよ。
後で、他のお客様から経緯を聞くのも又然りです。
by たいへー (2006-01-18 12:18) 

東雲の行政書士

保証協会に勤めていた時、管理回収部門にいた友達から
horigonさんとおなじような話を聞いた記憶があります。
horigonの受けられたショックはよくわかります。
私も、保証協会時代の話をブログに投稿して行きたいと
思っています。
by 東雲の行政書士 (2006-01-18 13:33) 

呑気な行政書士

前の会社の先輩も自ら命を絶ち,すごくショックを受けたことがあります。
原因は,やはり借金でした。
それを聞いて,借金だけはしないようにしようと,心に刻みました。
by 呑気な行政書士 (2006-01-18 16:56) 

茶谷昌宏

「家」の購入は、命と引き換えになることと覚悟しておくべきと、ウチの父が
言っていたのを思い出しました。
とても痛ましいお話です。(悲)
by 茶谷昌宏 (2006-01-18 18:55) 

川原秀行

お気持ち察します。自殺によって家族が失うものの計り知れなさを考えるとご家族は本当につらかったと思いますし、この案件にかかわったつらさを考えると胸が痛みます。
by 川原秀行 (2006-01-18 19:31) 

horigon

>マルケンさん

仕事とはいえ、悲しいことです。
ただ、当時は誇りを持って仕事はしてましたが。

>荒井さん

今後、生涯設計に携わる、荒井さんには、ぜひ団体生命は紹介してもらいたい
制度ですので、HPでぜひ周知して頂きたいと思います。
私のケースが特異であっても、なくても、残されたご家族の、少なくとも金銭的なリスクは回避できるはずですから、アドバイスは重要だと思います。
by horigon (2006-01-18 19:33) 

horigon

>エルモさん

本当に、エルモさんのおっしゃるとおり、明けない夜は無いんでしょうに。
ただ、人間、追いつめられると普通の精神状態ではなくなるんでしょうね。

>内部さん

住宅ローンの場合は長期ですから、その人の経済的環境が変わる可能性も否定できません。
返せなくなったときは、安易な方法を採ると、よけい傷が広がるので、専門家に
相談した方がいいですね。
by horigon (2006-01-18 19:49) 

horigon

>たいへーさん

ひょっとして、以前、針灸か柔道整復士でもやっていらしたんですか?
原因はさておき、間接的にでも、関わった人が亡くなるのはつらいです。
今の立場なら、いろいろアドバイスも出来たかも知れません。

>東雲さん

かなり昔の話ですが、いつか、誰かに話してみたいと思いつつ、今まで胸の中でくすぶっていました。
本当に、公のところで話してよかったのか判りませんが、何かの参考にでもなればと思います。
困っている人を助けるのが、行政書士の仕事ですから、東雲さんの経験を投稿されるのは貴重なのではないですか。
by horigon (2006-01-18 20:04) 

horigon

>呑気な行政書士さん

借金をしないに越したことはないですが、やむおえない場合もあると思います。
それよりも、やはり、計画性のない借金は破綻する可能性が高いということで
しょう。

>茶谷さん

借金をするということは、ある意味、人生の重大事だと捉えた方がいいですよね。
考え方が古いと、笑われそうですけれど・・・・。
by horigon (2006-01-18 20:14) 

horigon

>川原さん

ありがとうございます。
遠い昔の話ですが、僕の中では一区切りついたような気がします。
今後、相談業務に、こういう悲しい体験が生かせれば良いと思っています。
by horigon (2006-01-18 20:21) 

武田のおじさん

つらくて、なんてコメントしたらよいのかわかりません。
by 武田のおじさん (2006-01-18 20:45) 

horigon

>武田さん

暗い話で恐縮です。
今後、この経験を、活かした仕事をしていきたいと思います。
by horigon (2006-01-18 21:30) 

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