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尊厳死について [社会問題]

また、富山県で大きな問題の事件が明るみになりました。

全国版でも取り上げられているので、ご存じの方も多いと思いますが、
富山県の射水市民病院で、男性外科部長が6年間に渡り、
7人の末期がん患者らの人工呼吸器を外し死亡させた疑いがあるそうです。

さて、今回の事件は、昨年の十月に外科の患者が内科病棟に転科した際、
家族の要望でこの外科部長が部署違いにもかかわらず人工呼吸器を外そうと
したことからスタッフが院長に相談して明るみになったもので、
それまでの死亡につながった7件は全て外科病棟であったため他の医療スタッフ
からは黙認されていたようです。

本人は「患者からの直接の同意はないが、家族の同意はあった、尊厳死だ」と
言っているそうですが、果たしてそうなのでしょうか。
そうであるなら、初めからことの全てを病院内で明らかにして
少なくとも複数の医師の判断、そして最高責任者である病院長の判断を
仰ぐべきではなかったのでしょうか。
そしてまた、苦しんで先の見込みの無い人の命だからといって、果たして、
家族や個人の医師の判断で人を死亡させて良いものなのでしょうか。

この医師は、「真面目で情に厚い人」と患者の評判も上々であったとの
ことですが、同様の事件が過去にも数多く起きているにもかかわらず
、この国には、安楽死に対する法律も存在しないこと、そして、きわめて
司法の判断が少ないことが、事件の引き金になったような気がしてなりません。

もし、自分が、そして家族が先の見込みの無い状態に陥ったとき、人はいったい何を
望むのでしょうか。悩ましい問題であります。


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コメント 14

まめぞう

お早うございます。
安楽死や尊厳死について、我が国は司法も立法も行政も、及び腰ですね。先進国として由々しき事だと思います。オランダなどはとっくに法整備されていますよね。ただ、命に関する事だけに、高い倫理が必要です。倫理など、今の政治家に一番欠けている事でしょうから、まだまだ無理でしょうね。
by まめぞう (2006-03-27 06:41) 

たいへー

予感は的中しました。 やはり、この記事でしたね。
これは、キチンとした法律を作らないとダメですよ。
たた、「お騒がせ法律」で、バタバタしてるから、100年経っても
まとまらないかもしれない・・・
by たいへー (2006-03-27 07:56) 

荒井太一

どうやら、ご家族の同意がなかったケースもあったうようですね。
となると、この先生の主義というか個人的信条による行動、
なんでしょうか?
先日の、最高裁を模擬裁判のリハーサルがあるから、
と欠席した死刑反対弁護士といい、個人的に、
社会の矛盾や法律の不備に対して異議を持つのは結構なのですが、
それを仕事にもちこんではいけない職業でしょうに…
by 荒井太一 (2006-03-27 11:22) 

内部正明

やはり病院側はちゃんと患者の家族の同意書を取って公正証書にすべきでしたね。もっともそれが倫理上許されるかどうかは別ですが、行政書士としてふと思いました。
by 内部正明 (2006-03-27 12:37) 

黒

延命治療の拒否なら、家族の同意や医師の判断ではなくて、何よりも本人の意思や同意が無ければダメでしょう。
あらかじめ、本人の同意書をとっておく必要がありますね。
by 黒 (2006-03-27 15:20) 

なかちゃん

大変難しい問題ですよね。仮に本人や家族の同意を取ってあったとしても後で第三者(親戚とか)の意見が入ってきたら…などと考えると僕には絶対判断できないな(誰も僕にそんな難しいことをやれとは言わないか)。
僕が『示談交渉』をやってた頃に本人(事故の当事者)との話ではOKだった事が後になって話が変わるケースがよくありました。家族を含め第三者の意見が入ってくるんですよね。そのたびに僕の髪が抜けていったような気がします。俺の前髪を返せ---なんちゃって…ゴメンナサイ。
by なかちゃん (2006-03-27 18:44) 

川原秀行

うちの父が危篤に陥ったとき、人工呼吸器をつけるかはずすかの選択をさせられました。このときは本当に悩みました。
by 川原秀行 (2006-03-27 19:04) 

jimusho-chikashitu

ほんと重いテーマですよね。

…早くこの苦痛から開放してあげたい…
実際、法律とか倫理とかの理屈が飛んじゃいそうになる世界ですもんね。

荒井さんのブログでも紹介されていた
「ミリオンダラー・ベイビー」を思いだします。
(観終わってC・イーストウッドを責めたいと思った人が
どれだけいてるのでしょうか?)
まぁ今回の事件の事実関係がハッキリしていないので
なんとも比較はできないのでしょうけど…
by jimusho-chikashitu (2006-03-27 20:23) 

武田のおじさん

ディープですね~。わたしなら(患者だったら)外してほしいですね。って意識がはっきりしているうちは生きたいですけど・・・。やっぱり難しいですね~。
by 武田のおじさん (2006-03-27 22:53) 

horigon

>エルモさん

師匠、お晩です。
こういう問題には政治家もなかなか触れたがりませんよね。
そのくせ、利権の絡んだものや、記念になるような物を作るのなら
頼まれなくてもやるくせに。
法律が出来ても、その解釈でまた問題が出てくるとは思いますが、
今のままの現場の医師に判断を委ねている現状からみれば
ずいぶんマシになると思いますので、早期の法整備を待ちたい
ところです。
ナイスありがとうございます。

>たいへーさん

最近、思考を読まれてますね。
いかんです。パターンを変えねばなりませんね。

しかし、ご指摘のようにこういった類の法律は誰も手を付けたがらないから、
なかなかまとまり難いでしょうね。
ナイスありがとうございます。
by horigon (2006-03-27 23:25) 

horigon

>荒井さん

今日、病院長が記者会見して、この病院の体勢を評して個人の
医師の集まりと言っていました。
自分の管理下の病院を非難するのも変な話ですが、きっとどこにでも
ある話しなんでしょうね。
そんな体勢とはつゆ知らず、患者と家族は命を預けているのですから、
とんだ茶番劇ですね。

>内部さん

今のままでいくと、言った言わないの水掛け論になりかねないですよね。
もっとも、公正証書にするとしたら、安楽死とか尊厳死が法的、社会的に
認められてからの話でしょうが。
by horigon (2006-03-27 23:27) 

horigon

>黒さん

本人に意思の確認するのが一番倫理的には良いのでしょうが、
告知の問題やら、本人の判断能力の問題やらで、難しい課題に
なりそうですね。

>なかちゃん

いらっしゃ~い。
確かに、言った言わないの証拠の問題と併せて、事後の感情の
変化ということもありえますね。
しかし、ここで一番問題なのは、家族や本人の頼みであろうと
医師が人の命を自分の判断で絶つことが出来るかということでは
ないでしょうか。
by horigon (2006-03-27 23:28) 

horigon

>川原さん

ご自分の家族のことですから、悩まれたことでしょう。
人工呼吸器の装着は延命の問題ですから、この医師がしでかした
事件とは次元が違う、ご家族に与えられた辛い選択肢ですね。

> 謎の管理人Aさん

確かに、苦しんでいる方のご家族にとっては、法とか倫理なんて
関係なくなるでしょうね。
ただし、医師はそうであってはならないとは思いますが・・・。

「ミリオンダラー・ベイビー」僕も見ましたよ。
意外な結末に驚きましたが、彼を非難する気なんてもちろん
覚えませんでしたし、むしろ虚しい気持ちになったというのが
感想です。
by horigon (2006-03-27 23:31) 

horigon

>武田さん

難しい問題ですよね。
生きて苦しむのも辛ければ、死ぬのも恐い。
僕だったら、家族の立場でも、本人だとしても判断できないでしょう。
ナイスありがとうございます。
by horigon (2006-03-27 23:36) 

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