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麦のように [雑感]

世間では卒業式も終り、子供達は春休みであったり、進学への準備や
入学後の生活を思い、夢と希望に胸を膨らませている時期かと思います。

日記に何度か書いたことではありますが、次女は中学二年から不登校となり
卒業式にはもちろん出席もしませんでした。

あの頃の自分の身の回りのことを考えると、言いようのない不安が常に付きまとい、
とても明日への希望など持てる状態ではありませんでした。

ついで、進学した高校も数日で中退という追い討ちにも似た状況が更に続き、
正直なところ、子供への悲しみと諦めにも似た気持であったことを思い出します。

子供が、その後変化を見せ、進学に意欲を持ち始めたのは、親が世間体や
学歴への拘りを一切捨て去り、子供の人生を、彼女の思うままにさせてやりたいと、
気持を切り替えたころに符合しています。

余談ですが、僕には阿川弘之氏の小説「春の城」にとても好きなフレーズがあります。

春の城 (1952年)

春の城 (1952年)

  • 作者: 阿川 弘之
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1952
  • メディア: -

この小説の終りに、戦地から故郷である焼け野原の広島に帰ってきた主人公(阿川氏自身)が
こう書き留めています。
「七十五年人が住めないと噂に聞いていた土地に、空き地という空き地を埋めて、
麦がすくすくと育ち、天を指して鋭い穂を見せ始めていた事だけで、彼にはすべてを
償ってあまる歓喜だった」

先日、彼女の学校から一年間の成績通知が届きました。
親バカの立場から言えば、とても立派な成績でした。

少しニュアンスは違いますが、いま、人生の入り口に立ちその穂を伸ばそうとしている
彼女を見て、この小説の麦にも似た生命のたくましさを感じています。

きっと、世間には彼女と同じような境遇の方もたくさんいらっしゃることと思います。
その方達には、過去にこだわらず、今現在を自分の思うがまま真っ直ぐに生きてもらいたい、
そしてその生命の芽はかならず天に向かって伸びる事を信じています。
今日は何となく昔を思い、少し日記に書いてみました。


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コメント 19

まめぞう

お早うございます!^^
まさにこれからの新緑の季節にふさわしい記事ですね。感激いたしました。^^

「ひこばえ」という言葉が好きです。小さいけれど、生命力に満ち溢れた・・・

行く先がよく分からない時代にあって、お嬢さんのような、挫折と遠回りを経験した若者が青々とした穂を天に向かってまっすぐに伸ばそうとしている・・・何とも頼もしい限りです。

お嬢さんの未来に幸あれ!(^▽^)/
by まめぞう (2007-03-28 06:37) 

おはようございます。
言動や行動のように、目や耳で確認できる行為とは別に、「思い」というものも、やはり動いていると思うのですね。
「好き」だと思えば、それは、言葉や行動に現れなくても、確実に相手(対象)に伝わる。「嫌い」だと思っても然り。
「心が変われば、環境も変わる」・・・相手を変えようとするのではなく、自分の心を変えれば、自然に相手も変わっていく。

御両親のあたたかい愛情に包まれながら、お嬢さんの未来が、素晴らしく展開していくことを祈念しています。 (^-^)/
by (2007-03-28 06:48) 

ちあこ

世間の常識から外れる事は親も子も大変なんだと思う。でも、常識が囚われなければならないものばかりではないですよね。色々流れで囚われてる事も多いかも。そうやってしっかりお嬢さんを見守ってこられたのって凄い事だと思います。従兄弟の女の子は小学校の時から不登校。とっても素敵な彼女ですが、トンネルからはまだ抜け出ていない様子。彼女ももう今年で20歳。
なにか麦が芽吹くように、見つけて伸びて欲しいです。すいません余談でしたね
by ちあこ (2007-03-28 07:36) 

茶谷昌宏

すてきなフレーズですね。植物や動物は、逆境なんか物ともせずに生きていく逞しい生命力があります。根性大根なんかいい例ですもんね。人間にも本来はその逞しい生命力があるはずなのに、どうも周りの目を気にしすぎて悩んでしまい、その逞しさを忘れてしまっているようです。氷河期時代でさえも根性で生き抜いてきた原人のDNAが我々にも生きているのですから、それを信じて明日を生きていきましょう(笑)。
by 茶谷昌宏 (2007-03-28 09:24) 

michan

おはようございます☆
メッセージ送りました。^^
by michan (2007-03-28 09:58) 

内部正明

あれから数年、今や立派な奈良の住人ですね。もし昔の内部家で不登校なんて言った暁には、勘当されて野垂れ死にしていたでせう・・・
by 内部正明 (2007-03-28 11:34) 

たいへー

明日は我が身でございます・・・
自分も同じ立間になったら、周りの事を考えるのでしょうか?
その時、子供の事を中心に考えられるように、
自分も成長出来ればいいですね。
子供に迷惑をかけない親にならないといけませんね。
by たいへー (2007-03-28 12:35) 

桃色行政書士やなぎ

 私が同じ立場になったなら、娘にどんな態度を取るでしょうか。
 私自身、進学等、親の意見に振り回された部分があるので、娘には自由にさせてやりたいとは思うのですが。
by 桃色行政書士やなぎ (2007-03-28 16:38) 

okko

ああ、懐かしい子育て時代。
ワタシも一度はカウンセリングを受けた経験あり。
長男を縛り付けていた、期待が大きすぎた。で負担をかけました。
カウンセリングを受けて、自分を変えたら、子どもたちも変わりました。
もうスクスクと真っ直ぐに、オジサンになりました。次は孫、忠告できることがあったら、役に立ちたいと思っています。
by okko (2007-03-28 17:19) 

INDY

「無駄な経験などないんだ」と勤めていた社長に言われたことがあります。職種に対しての言葉だったと思いますが人生に対しても当てはまると思います。お嬢さんは人より険しい道を登ってきた。でもそれはこれからの彼女の人生にもきっと大きなプラスをもたらしていくんだと思います。かつて警察にもご厄介になった我が愚弟は今年中古車販売会社を設立しがんばっています。母も死ぬほど苦労しましたがおかげでちょっとやそっとでは動じない心を獲得しました。辛い冬はより明るい春のためにあるんでしょう。
by INDY (2007-03-28 18:40) 

荒井太一

誰に言われたのか、何かで読んだのか、自分でひねくりだしたのか、
今となっては定かではないのですが、
“人生の歯車は、いい方向にしか回らない”ってのを、身上にしてます。
あと、人生万事塞翁が馬。
生きてる限り、何かいいことあるさ~
最近、学校では、こういうの教えないんですかね。
by 荒井太一 (2007-03-28 19:40) 

horigon

■エルモさん
師匠、こんばんは。
いやいや、親バカのお恥ずかしい記事で、少しアップしたことを
後悔していたりします。^^;;;

「ひこばえ」、いいですね。
特に、切り株から伸びた若い枝には力強い生命力を感じます。

人よりたくさん挫折し遠回りした娘ですが、だからこそ得たものも
あるのかもしれません。
世の中の似たような境遇の若者も、娘と抱える悩みは違っても、
かならず未来は開けると思いたいですね。
励ましの言葉、とても嬉しかったです。^^


■せいちゃん こんばんは
親として、おっしゃることを気付くまでにはかなりの時間が掛かりました。
今までの自分の価値観をフラットにして、新たな価値観を持つことは
意外と難しいことなのでね。^^

せいちゃん、ありがとうございます。
絵に描いたような素晴らしい人生があるのかどうかは分かりませんが、
普通の社会生活を、いろいろと、もがき苦しみながら送れることこそ
素晴らしいのかもしれませんね。
by horigon (2007-03-28 20:16) 

horigon

■ちあこさん こんばんは
僕ら旧来の親の価値観とは、勉強をして良い学校に進んで、良い就職、
そして結婚をする、といったものでした。
それが、人生の中で何ほどのことも無い、と気付くのにはかなりの時間が
掛かりました。
逆に、そのことを気付かせてくれた娘には、感謝しなければいけませんね。

従兄弟の方、心配ですね。
人間の心はそう単純ではありませんから、同じことをすれば立ち直れる
という答えがないところが辛いところです。
きっと、何かキッカケが必要なのだとは思いますが・・・。
いつもありがとうございます。


■茶谷さん こんばんは
生命力に関しては、人間は文明の中で大事なものを置き忘れて
きたのかもしれませんね。
ただ悪い面ばかりではなくて、僕のような人間の場合、動物の世界だと、
とっくに自然淘汰されていたかもしれませんから・・・。
いずれにしても、人間は背伸びをせずに、ストレスの無い生き方が
一番良いと感じています。
お気楽過ぎますかね。(笑)
by horigon (2007-03-28 20:17) 

horigon

■michan こんばんは
ありがとう。こちらも返信しましたのでヨロシクね。^^


■内部さん こんばんは
立派ではありませんが、ごく普通の生き方が出来るようになったみたいです。
むかしの僕もそのような感じだったのかもしれませんね。(汗)
by horigon (2007-03-28 20:19) 

horigon

■たいへーさん 
お頭のおっしゃるとおりです。
親が子供をどうするというより、まず、子供に迷惑をかけないような
親になることが必要なのでしょう。
僕の場合、気付くのにかなり掛かりましたけどね。(笑)
いつもありがとうございます。


■やなぎさん こんばんは
親も育てる立場としては、いろいろと子供に夢はあるでしょう。
でも、その夢は親のものであって、子供のものではない。
そういう意識さえあれば、多分大丈夫だとおもいます。
by horigon (2007-03-28 20:19) 

horigon

■okkoさん こんばんは
それにしても、okkoさんの対応はお見事です。
なかなか自分を変えることは難しく、親が右往左往している間に、
ウチの場合はかなり深みにはまってしまいました。^^;;;

貴重な経験ですから、きっとお孫さんの場合の参考になるのでは
ないでしょうか。
いつもありがとうございます。


■インディさん こんばんは
弟さんのこと、良い話ですね。
誰もがうまく人生を乗り切れるわけではありませんが、少なくとも
辛い経験が必ずその後の人生のプラスになると信じていたいものです。

>辛い冬はより明るい春のためにある

う~ん、けだし名言ですね。
下手な哲学者の言葉より、インディさんの言葉の方が勇気と希望が
湧いてきそうです。^^
いつもありがとう。
by horigon (2007-03-28 20:20) 

horigon

■荒井さん こんばんは
人生、どうせ同じ生きるなら、荒井さんのようにプラス思考でありたいものです。
あの時のそんな答えを出せたら、もう少し楽になっていたんだろうなぁ。
by horigon (2007-03-28 20:21) 

川原秀行

不登校・・・やはりうちの子についても心配です。いろいろ手立ては打っていますが、やはり何かがあっては困るもの、学校に楽しく通学してくれることを願いつつ不安な入学式を迎えそうです。
by 川原秀行 (2007-03-28 21:45) 

horigon

■川原さん こんにちは
不登校となる原因は一つではありませんから厄介です。
それにはある意味、運の良し悪しもあるようですが、少なくとも
僕がやってきたように、子供に過度の期待をするのは良くない
ことだと思います。
まぁ、川原家の場合は親の目と愛情が行き届いていますから、心配は
いりませんよ。
by horigon (2007-03-29 14:41) 

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