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私の読書癖 [日常]

私の読書は、他の人と少し違い偏食傾向があるかも知れない。一つ気になる題材があると、話題の新刊など目もくれず、古い物でも買いあさる傾向があるからである。
学生時代は、割と広いジャンルの本を読んでいたが、社会人になってから偏食傾向が強くなったように思う。一時は、城郭の本にはまり、次に戦記、戦史物に傾倒した。余りの、戦争関係本の多さに、家族から「軍事マニア」視され、嘲笑の的になったこともあった。
私からすれば、戦記物はその時代の生活、文化、人々の考え方を凝縮した貴重な歴史書であるという主張があるが、所詮、我が家の凡人どもには分からなかったようである。
その中で、未だに繰り返し読む本がある。一つは、志賀直哉の最後の弟子としても知られる、阿川弘之氏の「春の城」「暗い波濤」である。学徒出身の海軍士官を題材にしたもので、洗練され文章で当時の若者達の生き様が表されている。次に山本七平氏の「私の中の日本軍」である。書店の店主、評論家としても知られる氏は、この本で、自らの体験を通して戦場における日本軍の不合理性を主に書いている。
これらの本は、私の心が求めるバイブルのような存在で、今後も、幾度と無く読み続けることとなるであろう。
最近の私のお気に入りはというと、少し「軍事マニア?」から転じ、藤沢周平氏の「用心棒シリーズ」をはじめとする長編物(藤沢氏の世での評価は短編のほうが高いのであるが)、池波正太郎氏の「剣客商売」「鬼平犯科帳」ほか、白石一郎氏の「十時半睡事件帖」ほかに代表される、時代物、特に江戸時代の市井の生活に関わるものに移りつつある。何か現代にない、暖かみや郷愁に誘われるのか、最後の1ページまで無駄にしたくないと思ってしまうのは、やはり偏食癖のせいだろうか?


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内部正明

数年前に藤沢周平ゆかりの山形県鶴岡市に行ってきました。時代は変わってても、川べりあたりなんかは藤沢ワールドの残り香のようなものを感じられます。
by 内部正明 (2005-11-09 18:02) 

horigon

>内部さん

僕も、昨年、山形市に行きました。さすがに、鶴岡までは行けませんでしたが、大学の教育学部あたりを散策して、故人を偲んできました。
by horigon (2005-11-09 19:35) 

荒井太一

いつの間にか読書は、手持ちの本の再読ばかりになってます。
一番多いのは、司馬遼太郎さんですが、学生の頃にはまった、
村上龍、村上春樹なんかも、ふっと読み返したくなったり。
最近の作家さんでは、宮部みゆきさんのは、文庫化されると、
飛びついて読んでます。
彼女の作品は、さまざまなジャンルに及んでいますが、
江戸の市井ものがお好きなら、短編を中心に、
多分楽しめる作品もあると思いますよ。
by 荒井太一 (2005-11-09 22:15) 

horigon

>荒井さん

ありがとうございます。司馬遼太郎さんの作品は僕もかなり読みました。宮部みゆきさんの作品は、「平成御徒日記」?ぐらいしか読んだことがありません。さっそく、書店で品定めしてみたいと思います。
by horigon (2005-11-10 05:58) 

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